フライトネットワーク分析について >>
2020年初頭より続いている新型コロナウイルス感染症(以下、COVID-19)の流行により、世界各都市で人の往来や接触が制限される状況が続いている。そこで、森記念財団都市戦略研究所では、COVID-19が世界の主要都市間を往来する国際旅客便の数にどのような影響を及ぼしたのかを明らかにするために、フライトネットワーク分析を行った。
本分析のためのフライトデータは、OAG Aviation WorldwideLimitedが提供するSchedule Analyserの国際線運行スケジュールデータを活用した。2019年4月から2020年3月までのフライト頻度および2020年4月から2021年3月までのフライト頻度の2つのデータを比較した。対象の空港は、lobal Power City Index 2021対象48都市において、国際航空運送協会 (International Air Transport Association IATA) の定める都市コードに紐づく73空港とした。ベースマップはNatural Earth の 1:10m Land / Ocean を用いた。
2019年度データと2020年度データを比較すると、GPCI対象48都市間の国際線のフライト頻度は全体で49.4%減であった。アジア、北アメリカ、ヨーロッパ、その他(アフリカ、ラテンアメリカ、オセアニア、中東)の4つのエリア別にみてみると、最も減少したのがアジア都市間で51.9%減、ヨーロッパ都市間は49.7%減、北アメリカ都市間およびその他の都市間はともに49.0%減となった。